酔芙蓉

 
梶浦奈緒子<br>酔芙蓉<br> 「うつくしいひと」 陽とともに紅く色を染め、背高く華やかな「酔芙蓉」その美姿から、富貴や繁栄をあらわす吉祥花として愛される。花びらの透きとおる繊細さ、次々と花を咲かせる生命力を秘めたたくさんの蕾たち。美しい花に出会ったとき、美しい人と出会えたような悦びを心に留めたい。たくさんの慶びと感謝をあなたに 「うつくしいひと」へ<br> 岩絵の具、雲肌和紙、F8 2012年春<br>
 

Sさまより

梶浦さんの新作「酔芙蓉」が、友人の経営する会社の真新しい壁に掛けられた。ひどい手荒れにもよく効く黄色いハンドクリーム「ユースキン」の新社屋である。大学のスキー同好会から始まった交友は、それぞれが結婚してから、家族ぐるみのキャンプやスキー旅行に変化し、今では子供世代や小さな孫たちまで加わるようになった。

そうした仲間たち10人で、新社屋完成のお祝いに絵を贈ろうと決め、on the wind の石井さんに相談したところ、梶浦さんを推薦してくださった。芙蓉は、会社の創業者であった先代が好きな花であり、古い社屋には芙蓉ビルという名前がつけられていたという。

白い透けるような花びらが、次第に赤みを帯びて、夕方にはピンクになる酔芙蓉の花。画題が決まり、デッサンが示され、できあがった本画が銀箔の額縁に入れられた。携帯電話のメールや写真で、最後は額縁屋さんに集まってと、皆が楽しみながら作品の誕生を待った。それだけに壁にかかった作品を見たときの喜びはひとしおであった。贈られた側も贈った側も「ありがとう」と互いに言い合った。

 

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メッセージから喜んでいただけたことが感じられて、とっても嬉しいです。安心もしました。誰かのために…誰かのおうちに…などを大きく考えて作品制作を進めることは今回が初めてでした。たくさんのアドバイスをいただける…誰かが喜んでくれる…作者として大切にしたいことをたくさん勉強させていただきました。Sさまをはじめご友人の方、石井先生にあらためてお礼を申し上げます。このような出会いをありがとうございました。
梶浦奈緒子

 

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on the windも5年目をむかえ、オープンの時からアドバイスを頂いている美術館学芸員のSさまからのご依頼で、日本画の梶浦奈緒子さんを推薦し「酔芙蓉」を制作しました。長年のご友人のますますのご活躍を祈るお祝いの気持ちをこめた作品です。Sさまやお仲間の皆さまの親身なご指導を受けて完成することができました。得難い経験を積ませて頂き心から感謝申し上げます。3月の新社屋完成後、Sさまのコメントをお許しをえて掲載いたします。感謝をこめて。
2012年春
art gallery, on the wind

 

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