Sさまより
『本日、亡夫の十七回忌法要を行いました。雨も上り、紫陽花が咲くお寺で、故人を偲びました。木下さんの版画が生まれてくるまでの話を添えながら、皆さんに版画を手渡ししましたが、手元でじっくり眺める方が多くいました。
夜になってからあるお宅に電話をしたところ、帰宅後すぐに額縁をつけに行って、もう飾っていますという話を聞いて、感心してしまいました。つながる生命の力を感じとって下さったようで、とても気に入りましたと話されていました。改めての御礼方々、本日のご報告まで。』
追伸:
『この作品は、7月にフランス人の友人夫妻にも手渡しました。遠くにアルプスが見える田舎の町で暮らす夫妻は、亡夫のことをよく知っていましたので、一枚手元に置いてほしかったのです。大震災の後すぐに電話をくれて、自分たちが何年間かを過した日本のことをとても心配していました。「いのちつなぐ花」の意味を即座に感じとり、まだ20代初めの若い女性がこれを作ったことに驚くとともに、彼女の才能に賞賛を惜しみませんでした。』
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on the windも4年目をむかえ、オープンの時からアドバイスを頂いている美術館学芸員のSさまにこれからの進め方についてご相談に伺いました。その際、亡くなったご主人の17回忌があるので、法要の記念の品を若い人にお願いしたいとお申し出を頂きました。女子美短大版画専攻を卒業した木下知美さんを推薦し、17年前のご友人たちの追悼文集を拝読してエスキースを描き、その中から1枚を選んで頂きました。
それから4ヶ月、版画制作に励み、その間、試し刷りの確認、タイトルの検討など、Sさまの親身なご指導を受けて完成することができました。本当に得難い経験を積ませて頂き心から感謝申し上げます。6月の法要後、Sさまから頂いたメールをお許しをえて掲載いたします。
合掌